前回に引き続き、今回も「公認会計士になるには」というタイトルで、公認会計士試験について紹介していきたいと思います。今回は、試験時間や、合格に必要な得点比率などを紹介し、数字で公認会計士試験を分析していきたいと思います。皆さま、それぞれ、どの程度だと思われますでしょうか。
✓ 当日の試験はどんな感じ?(試験時間について)
短答式、論文式のいずれもが、相当の体力勝負です。私自身も長時間に亘る試験の疲れからか、後半はかなり精神力勝負であった記憶です。
例えば、令和2年の試験ですと、以下の通りとなっております。
〇短答式 1日間(計5時間)
企業法 60分
管理会計 60分
監査論 60分
財務会計論 120分
〇論文式 3日間
・初日(計4時間)
監査論 120分
租税法 120分
・2日目(計5時間)
会計学① 120分
会計学② 180分
・3日目(計4時間)
企業法 120分
選択科目(経営学など) 120分
私も最初に見たときは面食らいましたが、試験勉強の中で勉強する体力はついてきますので、意外に何とかなりました。今ではたまに受けるTOEICテストの2時間ですら長く感じますが、訓練すれば何とかなるものです。
また、論文式は文字通り記述式ですので、非常に手が疲れました。握力も試される試験ということです。
✓ 試験合格者の正答率は?
先の項目で少しテンションが下がったかもしれません。ごめんなさい。
それでは、合格するにはどれぐらいの正答率が求められるのでしょうか。
最新の試験受験案内には以下の記載があります。
短答式「総得点の70%を基準として、審査会が相当と認めた得点比率とします。」(別途足切り条件あり。)
論文式「52%の得点比率を基準として、審査会が相当と認めた得点比率とします。」(別途足切り条件あり。)
また、合格発表で、得点比率の実績についても公表されています。
こちらは、結果のそろっている平成31年・令和元年の試験結果で見ていきましょう。
短答式 第1回、第2回 63%以上
論文式 52%以上
(公認会計士・監査審査会のウェブサイトより転載。)
どのような感想を持たれたでしょうか。私が初めて見たときの感想は、短答さえクリアできればこれはいけるなという感じでした。実際に、疲労感は論文式試験の方が強かったですが、緊張感や心配は短答式試験の方が強かったと記憶しています。
論文に限って言えば、おおよそ半分できれば受かるのです。この事実は私を強く後押ししてくれました。強い気持ちで試験に臨めたのも、試験について十分に分析し、このような事実を十分に把握していたからです。
以上、全体を通して、なかなかハードだと感じたかもしれませんが、裏を返せばこの試験を乗り越えることで、監査や会計、税務に関する幅広い知識を習得できることは間違いありません。また、合格後には、それらの知識を実践できる場も用意されています。
是非、参考にしていただければと思います。