公認会計士ぐっちの投資ブログ

地方出身、首都圏在住、自由な生き方を目指す公認会計士のブログです。株式、不動産などの投資、勉強、旅などをテーマにブログ書いています!

有報を読もう③:株式投資初心者の視点で見る開示書類

みなさん、こんばんは。公認会計士のぐっち(@CPAgucci)です。

前回は、上場企業の開示スケジュールについて、「有報を読もう②:上場企業の開示スケジュール」というタイトルでブログを書かせていただきました。
上場企業は多くの開示書類の開示が義務付けられていることが理解いただけたと思います。
 
今回は、株式投資初心者の視点で、上場企業の開示書類をそれぞれのタイミングごとにどのように見ていくか。紹介したいと思います。
 

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決算発表時(3月決算期末の場合、4月~5月)

前回のブログにも書きましたが、四半期ごとの決算発表時には、決算短信が開示されます。
開示に力を入れている会社は、決算短信と同時に決算説明会の開示資料やビデオもIRサイトで公表しています。私の場合、定期的にウォッチしている会社の決算説明会は、大体決算説明会翌日にはIRページにアップされていることが多いので、そちらで確認するようにしています。ですので、決算開示のタイミングでは、決算短信+α(決算説明会資料等)を確認します。
 
決算短信においては、各企業の業績予想も公表されます。こちらは決算短信のサマリー情報(最初のページ)の下段に記載されています。四半期においては前期末において公表された決算短信における業績予想と、実績との比較を行いつつ、業績修正の有無を確認します。
ここでのポイントは決算説明資料を用いて、単に業績予想との比較を行うのではなく、なぜ乖離が起きているかについて仮説を立てて検証を行うことです。これによって、乖離が起きたのが一時的な原因なのか、中長期的に継続していく傾向なのかをつかむ必要があるためです。
また、複数の報告セグメントがある会社においては、セグメント情報の確認をします。各セグメントごとに、売上高やセグメント利益の比較を行います。具体的には、セグメントごとに、どのような変化をしているか比べることによって、好調の事業とそうでない事業を見極めます。このように、セグメント情報を見ることで、その企業の主要な事業は何で、どの事業が伸びているかを見ることが重要です。
第2四半期、期末においてはキャッシュ・フロー計算書も開示されるため、キャッシュの状況を把握するために、こちらも確認します。企業の本業の成果である営業キャッシュ・フローと、企業の投資活動成果である投資キャッシュ・フローを中心に見ていきます。
 

招集通知入手時(3月決算期末の場合、5月~6月)

次に、招集通知です。
招集通知とインターネット開示事項に情報が分かれていることが最近は多いので、両方見ます。
招集通知には定時株主総会における議案が記載されており、配当や役員の選任など会社の大きな方向性を決定づける内容も含まれているため、確認が必要です。
事業報告においては、年度末時点における大株主の状況も開示されるのでチェックします。
また、この時点までにおいては監査法人による監査も完了しているため、決算も監査済の情報となります。
私は近年複数の企業の株主総会に出席していますが、株主として投資ポジションを見極める上でも、社会見学としても参加をおすすめします。多くの場合は社長自ら企業の業績や今後の計画について語られる場のため、企業のことを知るうえで非常に良い機会であると思います。また、株主総会は企業の雰囲気も垣間見ることができ、貴重な機会でもあります。ぜひ、出席をお勧めします。
 
 

有価証券報告書(四半期報告書)提出時(3月決算期末の場合、6月)

最後に有報(四半報)です。
有報、四半報は各四半期の最後に開示されますので、詳細な情報が盛り込まれています。
私は主に「経理の状況」を中心に内容の確認をしていきます。
決算数値とともに、注記や重要な後発事象についても確認をしていきます。注記は財務諸表の詳細情報であり、重要な後発事象とは、決算日後に生じた事象のうち、重要なものに係る開示です。決算短信や計算書類の中でも、時点や要求事項の違いで記載されない項目もあるため、改めて確認します。
また、良く知らない企業については、沿革や事業の内容、関係会社の状況などを確認して企業の概要の把握をします。
 
以上、内容的には初心者向けの内容でしたが、今回書いた内容を見るだけでも最初はそれなりに時間がかかります。慣れてくると確認する時間も短くなりますので、一度に複数の企業のチェックも可能になると思います。投資を継続する中で、四半期ごとの業績の確認も重要な要素であると思いますので、是非習慣づけてもらえたらと思います。それでは。